エニーキーでモカコーカー

動画の裏話とか、書けたらいいよね

Fire sky.の裏話

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283プロに、全員、修造!


いやぁ作ってしまった。

 

 こんにちは、わかざみです。音MAD三作目*1はついに来ました松岡修造。小さいころから修造MADを見ていた僕が、ついに作る側に回った瞬間ですよ。激アツ。内心ネタ被りしてるんじゃないかと若干不安になりつつ*2この記事を書き始めました。それでは早速本文の方に入っていきましょう。

 

 

作るに至ったきっかけ

 この曲を初めて聞いたときに、(この曲はなんてすばらしい曲なんだ)って思いながら聞いているうちに、(Dye the sky.のMADって少ないよな、何か作ろうか)と思ったのが始まりです。Dye the skyを使ったMADは数あれど、Dye the sky.そのもののMADって現時点で多分存在しないんですよね。ボーカル主体の曲なのでおそらくMADとして使いづらいとか、内容が強くてMADにしづらいみたいなのが主な原因なんでしょうかね。

 さすがに今回は「Night of Fireから連想して思いついたものはとりあえず全部突っ込んだろww」とかはせず、素材にも「強さ」が求められるので松岡修造に白羽の矢が立ちました。おふざけ無し*3です。おそらくこの曲でMADで作るとしたら、今この段階だと松岡修造以外選択肢が無いんじゃないかなと思っています*4。この組み合わせ、アッツイよねぇ。

作るときに考えた方針とか

 Dye the sky.はなぁ 余計な味付けいらねぇんだよ

これに尽きます。

 曲そのものが激アツなので、わざわざ修造のセリフで潰しに行かなくていいよなって思い、セリフの数珠繋ぎ構築などの発想は真っ先に捨てました(後々これが僕を苦しめます)。音MADとしての音は楽器重視でボーカルを残す(本当か?)、MADとしてはかなり珍しいものに仕上がると思います。

 ただし、サビの部分はそれだと盛り上がりに欠けるのでサビの部分は修造に歌わせました。絶賛苦労してます(執筆時サビ制作中)。ただ言葉を切り抜けばいいって話じゃないですからね。

 さて、ではこれから実際に中身を掘り下げていきますが、一点だけ。

「真剣」という単語を頭の片隅に入れておいてください

 

動画内容の解説

0:00~0:16(引退会見パート)

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引退ではなく卒業。新しい修造の始まり。

 この素材は松岡修造の引退会見のシーンです。この時、修造自身が自分の勝利掴むことから他人を応援する立場にコマを進めました。本人も「新しい修造の始まり」と発言したように、新たな人生の始まりだったわけですね。

 このシーン、古い映像によくあるノイズのフィルターを起用しました。しかし、そのノイズは徐々に消えていき最終的には無くなってしまいます。こういう表現が何を意味するか、お分かりでしょうか。

 答えは『Dye the sky.』そのものにあります。皆さんはもう何度もこの曲を聴いていると思いますが、この曲は【今】に強いフォーカスを当てている曲になります。引退会見の時に「新しい修造の始まり」と言った【過去の松岡修造】が【今この時の松岡修造】を見据えた発言をしているのです。だからノイズが消えたんです。今後このような表現が動画内でちょくちょく出てくるので、ノイズ表現に気がついたときは【時間】を意識してみてください。

0:16~0:34(思い出の中の私のパート)

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この一球は絶対無二の一球なり

 前半部分。《色あせた、写真メモリー、幸せな時間軌跡、思い出の中の私》のシーンは大昔の松岡修造の素材を起用し、写真の切り抜きみたいにしました。昔の修造って太ってたんですね~(笑)。164センチで74キロだったそうです*5

 一番下に出てくる映像は松岡修造が現役時代、見事64年ぶりにウィンブルドンでベスト8進出を決めた最後の1打のシーンです。意外と知らない人も多いと思いますが、現役時代の松岡修造はケガが多い選手でした。両ひざの半月板の損傷や伝染性単核球症など、入院で思うようにいかない日々を過ごしていました。そんな中、1995年ウィンブルドンに出場するチャンスが修造にやってきました。そして順に駒を進め4回戦、これに勝てば64年ぶりのベスト8をかけた大一番で見事勝利を掴み取ったわけです。そりゃあんだけ喜びますわ。

 しかし、それは今の修造からすれば【思い出】に過ぎないのです。後半部分、《でもすでに他人みたい、あの時の自分じゃない》のシーンは他人みたいな修造を素材にし、記憶の中の映像みたいにしました。が、お気づきでしょうか、画面が切り替わった瞬間に消えた写真、それは前半部分、左に大きく切り抜かれていた修造の元画像です。この画像が消えていく表現をすることによって、前半パートが【記憶の一部】であることをより強く表現しています。*6

 そしてそのあと、《色合い、願い、アイデンティティ》の部分、キーワードは《クール、応援、おとなしい》です。もう具体的には話さなくていいですよね?

 

0:34~0:51(「遠慮なんていらない誰の定義でもない私」であれパート)

 まず前半の《変わってしまったと誰かが言うけど、前へと進む度だけど》のシーン、これは現役時代との比較となっています。現役時代の松岡修造を見ている人からすれば、この松岡修造をみて(こいつ何やってんだ?)って思うでしょう?*7ということでここでは現役時代ではやってなさそうなことをしている素材を起用しました*8

 そして後半、これ気づいた人いました?上の括弧の中、曲の歌唱メンバーと人数ピッタリなんですよ。この歌詞、283プロアイドルに向けての熱烈なメッセージなんじゃないかと僕は思いました。じゃあ誰がメッセージ呼びかけんの?

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 私松岡修造の声でございます。松岡プロデューサーがアイドルへの熱い思いをぶつけてるシーンとなっております。

 余談ですがこのパート、見ればわかる通りアイドルのシーンは全部動画なのでめっっっっっちゃ重かったです。どうすればいいか、簡単ですよ。

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 いったん出力してしまえばいいのです。この次のパートからはこの状態で編集を始めました。

 

0:51~1:10(限界なんて本当はそこに無いパート)

 父が許せなかったのは、負けたことではありません。僕が、試合を投げたことです。*9

 ネタパート、ここの音声はREAPERでごり押しました。文字動画の弱さがもろに出てる感じになってしまった…

 途中で出てくる謎の橋はシャニマスの聖地にもなっている府中四谷橋です。いい感じに空が染まっていくんですがこれ逆再生なんで太陽が西から昇ってるんですよね。

 

1:10~1:22(夜を穿つパート)

 一番苦しんだパート。はじめは編集ほぼ無しでやる気だったんですけど、聞いたらこの後のパートとのバランスが終了してたのでセリフを追加しました。とはいえこんなことになるのは想定してたので、そうなった時に使う素材は既に練ってました。

 ここを歌唱しているユニットは順にノクチル、ストレイライト、アンティーカ、イルミネ、アンティーカとなっています。《その青は空よりも澄んでいるか》のその青は何でしょうか?空ですか?違いますよね?水じゃないですか?ノクチルが歌ってるんだから!よって動画は海の物を選びました。*10

 同様に、《その赤は夕焼けを焼き切れるか》のその赤は?夕焼けを焼くのは夕焼けですか?違いますよね?ストレイライトが歌ってるんだから!よって動画も迷光…と行きたかったのですが、迷光が無かったので聖火を用いました。

 問題はこの後で、歌唱パートが頻繁に入れ替わる状態でセリフ?ってなったわけですが…

 

 

 僕の技量じゃどうしようもなかった…

 まじでショック受けてる。歌詞をど忘れした人みたいになってしまった…前々からもっと練るべきでしたねこれ…悲しい…修業し直します。

 

1:22~1:27(Fire sky)

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元の画像が若干赤かったので上の方に薄く青でグラデーションをかけました。

 さあ、この動画において非常に重要な場面です。元の歌詞は《Dye the sky.》、空を染めるという意味です。元の歌詞から見るに自分色に染め上げることを意味するのでしょう。では松岡修造の色って何なんでしょう?熱血の赤ですか?僕は違うと思います。

 僕自身は自分を熱い人間だと思ったことはありません*11

 僕がはじめてこの本を読んだのはもう8年前にもなるのですが、当時はこの文章の意味がイマイチよくわかっていませんでした。(いや、『どんなことにおいても、人より何倍も楽しむことができる』ってそれは熱いんだよ)って思いながらも、その言葉の真意を探しているうちに一つの結論にたどり着きました。

この人、真剣なんだな

 何事においても彼は真剣だったんじゃないでしょうか?現役時代から変わらず、ずっと。もちろん彼には熱い部分はあります。しかし、熱くない部分が無いのは言い過ぎなんじゃないでしょうか?だから僕は、彼が「熱い人間だと思ったことはない」という言葉にも合点がいきますし、熱くない部分も含めて松岡修造なんだなって思った時に一番似つかわしい言葉は「真剣」なんじゃないと僕は思いました。そう、あの演出の変化、「熱血」という赤い炎から「真剣」という青い炎へと変化してることを表現しているのです。「これから盛り上げっぞ!?」という僕からの意思表示でもあります。

 そう、今回のMADのテーマは「真剣」なんです。僕は彼の熱血な姿ではなく真剣な姿を表現したかった。それに挑戦したMADとなっています。夕焼けを焼く研ぎ澄まされた青い炎、これが僕の中の松岡修造です*12

 

1:27~2:07(修造の家庭訪問!ヒグチマドカ編)

 真剣な松岡修造はアイドルプロデュースにも真剣です。さぁ、そこに度重なる試練の連続で徐々に自信が持てなくなり、しまいには不安になり挑戦自体を怖がってしまっている女の子がいます。慰めてあげましょう!ってなった時に2008年辺りの素材を使うとどうなるでしょう?根本的な解決にならなくないですか?理由は簡単セリフ一つ一つは熱くとも、的を得てないから。

 真剣な松岡修造は「何に困っているか、そしてそれを踏まえた上でどう慰めるか」考えます。そして出した答えが動画のセリフになるわけです。修造式英単語道場の時よりも、もっと当事者に寄り添ったメッセージになってるんじゃないでしょうか。そう、修造も変わっているんです。人は時間がたつにつれ何かしら変わっていく生き物であり、松岡修造も例外ではありません。僕はそこを見ています。

 松岡修造が、彼女に言葉を紡いでいくうちに、彼女の迷い、不安が晴れていく。こんなシーンに仕上がったと思います。

 

2:07~2:42(世界のすべてを打ち破るパート)

 大サビ。こっちはVocalshifterを使ったのですが、あまり違いが分からないかも…?

 言葉を切り抜くときに、一つ一つ動画を見て回るにはあまりにも量が膨大なのでこんな方法で探してみました。

w.atwiki.jp

  これは松岡修造のwikiなのですが、そこの右上にある「サイト内検索」から欲しい言葉を検索し、探す。だいぶ捗りました。多分これが一番早いと思います。wiki製作者に感謝。

 

2:42~3:01(ラスト)

 2021年の挨拶。新しいようで、もう過去の物です*13。皆さんも【今】を見据えてください。

 

おわりに

 僕の持てる力を最大限に引き出したつもりではありますが、まだまだいいのが作れるだろうなというのが僕の正直なところです。つまり、技量不足。めっちゃ悔しいけど、ベストはつくせたので75点貰えたらいいなという感じです。慣れないことをぶっつけでやったことを考えればまぁ及第点なのかなとは思いますが、こんなんじゃ、まだまだですね。今は修行の時期です。もっといろんなことを知って、また皆さんの前に立つことができたらなと思います。しばらく旅M@Sに戻ります。

 最後になりますが、この動画を作る上で参考にさせてもらった記事、素材をまとめてくださった人。本当にありがとうございます。この場を借りてお礼申し上げます。

 

では、またどこかで

 

参考にしたサイト等など

eastmt72.hatenablog.com

 

www.nicovideo.jp

 

shinymas.net

 

 

追記

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*1:4作目になってしまった

*2:実はお正月ストロメリア以外にネタ被りで葬られたMADがある。完全にトラウマ

*3:結局微妙にふざけた

*4:自分からネタを被せに行ってない?この人

*5:河出文庫:大丈夫!キミならできる!松岡修造の熱血応援メッセージ 51ページより

*6:画像の配置とか視線の誘導をどうするか結構悩んだ

*7:実際錦織圭が引退した後、どんな人生歩んでいくか僕には分からないし

*8:まぁいうて現役時代でもテニスラケットで布団叩きとかやってたんですけどね修造さん

*9:講談社:弱さをさらけ出す勇気 45ページ

*10:夜光虫の映像?うーん…

*11:アスコム:人生を変える修造思考! 3ページ

*12:何なら令和最新式の松岡修造まである

*13:2021年が始まってもう1/3終わりましたからね